4月11日分
走り始めて約15分位でした。
問題のトンネルです。
同僚はドキドキ。私は鼻歌。
そして、私はあっという間にトンネルを通過。後ろを見るといつの間にか後方車は見えない。
私は 1人ニンマリ。ワンちゃんが約束を守ってくれたのです。
私とワンちゃんの約束とは。
初日の夜。ワンちゃんは私の所へと来ました。
聞く事によると、迷子となり帰れなかった。寂しくて助けを呼んだり、鳴いて飼主さんを探していた。車が通ると鳴いていた。思いが強くなると度々その様にしていた。
帰りたい。それだけ。悪さはしない。助けてと助けてくれそうな人を見つけていたそうです。
かなり、昔の事。トンネルが造られる前の山の中の時でした。聞く話からすると飼主さんは既に天国へ行かれている。その事をワンちゃんに教えて上げたのです。
もう、そこで待っている必要はないよ。早く飼主さんが待っている天国にいきな。
そして、天国に行く前に、思いっきり鳴いて良いよ!気のすむまで鳴いて良いよ。
辛かったろ。ここでズッーと待ち続けて辛かったろ。もう良いんだよ。
この世にサヨナラしなさい。その前にこの世で思いっきり鳴いてからにしなさい。
鳴いて聞かせる人間を連れてくるから少し待っていてね。
と話は出来ていたのです。
従って、私にはもう鳴いてこない。思いっきり鳴く相手は違うのです。
この世の辛かった思いにサヨナラ。選ばれた人間たちとは、ワンちゃんの気持ちなんかは全く考えなかった人間。魂を信じなかった人間なのです。
それから数日経過。私に一本の電話が有りました。その後も何回も電話が有りました。
その相手は、そうです。後方車に乗っていた方々です。
すいません。本当でした。恐怖で運転出来なかった。とか、中々抜け出せなかった。犬の鳴き声。恐怖となったようです。
大変でしたねと私は言いましたが、私もイタズラ好きなんですかね。
この世には、沢山のトンネルが有ります。
沢山の山を越える険しい道も有ります。
昼間だから安心は出来ません。
なるべく、一人では通らないで下さいね。
ほ~ら、そこの道にも誰かがいますよ。
お終い。