10月19日
いつもの様に彼はコンビニでカップ麺にお湯を注いで外に出ようとした時、振り向き際に彼女に接触してしまった。慌てた彼は彼女に『大丈夫ですか』と声をかける。
『あっ 大丈夫ですよ』と彼女。これが2人の初めての会話となりました。
その場の会話はそれで終わり、彼はいつもの様に車の中でカップ麺を食べるのでした。
彼は、朝、昼、晩とコンビニがレストラン。昼は事務所近くの同じコンビニ。
彼は毎日同じコンビニ。そして数日後に彼女もコンビニに来たのです。
彼は彼女を待っていた。それが本音。でもね、中々声をかけられない。
お互いに会釈はする。でも会話とはならない。
彼女は彼をどう思っていたのか?毎日カップ麺を食べている男。??
みなさんはどう思いますか。この様な男を気にしますか。
会話が出来ないまんまに月日は過ぎて行きました。彼女も同じコンビニを利用している。無言の会釈だけが回数を重ねていくのでした。
そして、季節は夏となり、彼はカップ麺から、お弁当コーナーに有る冷たい麺と変ったのです。
彼女もたまにお弁当を買いに来ている。同じコーナーで買い物をする。後は、日にちと時間が同じになれば。と、彼はひそかに考えるようになったのです。
そして同じ時間にお弁当コーナーに立つ2人。
ついにその日が訪れたのです。
彼は、優しく、笑顔で『あっどうぞ』と彼女に優先して貰い購入してもらう。
俺は後で良いとね。でも、彼は彼女の後ろ姿を確りと見ているし、駄目な男なのです。
そして、彼女は会釈をしてレジへと。会話とはならなかった。彼の考え通りにはならなかった。
彼の片思いの始まりだったのです。
彼女は、どこの 誰? 結婚しているの? 何も分からない。
それでも好き。彼の気持ちは青春時代になったのです。
続く。