８月１６日分
夜中のデート。そう２人は当たり前の夜中のデート。
デートの場所はいつも同じ。
だって、２人は徒歩で待ち合わせする。
座れる場所も１つ。
２人はまだ１５歳同士。ご近所の同級生なのです。
夜中になると、脱出して密会する。
公園のベンチが２人の居場所。薄暗い小さな公園。
人影もない。そう田舎なので夜中は人が歩いていないのです。
車も通らないのです。
考え方によっては、物凄く危険な場所。だって、人影がないのです。
時間はいつも同じ、深夜の１時３０分待合せ。
雨の日はデートは中止。
毎日、毎日、雨が降りそうになると空を見上げていた２人。
当時は、携帯電話などは有りません。昔なのです。連絡も家電話となるので取りません。
夜中のデート。 ２人はいつもどんな事を話して、何をしていたのでしょうか。
同級生、と言っても、幼なじみではないのです。彼女が転校してきたのです。
転校して来てまだ１年。この１年間に２人は仲良しになったのです。
若き、青い、青い、恋物語なのです。
手を繋げない２人。夜中になにしているの？
誰も知らない夜中の密会が毎晩続いているのです。
親が寝静まった頃に家を抜け出す２人。
会いたいとは、会いたい気持ちとは、２人を毎晩動かしていたのです。
次期は秋、段々と寒くなる。涼しくて気持ちが良い季節ではなくなってくる。
恋人なら肩寄合って暖まる。しかし、２人は手も繋いだ事がない。
冷たくなったベンチに離れて座る２人。
何が楽しいのか？ 会話も途切れ途切れ。
でも、毎晩、密会をするのです。時間的には会ってから約１時間位で帰る。
その様な密会が２ヶ月間続いたのでした。
２人の親も家族も誰も知らない密会。この先、どうなって行くのか？
続く。
