11月28日
早い物で高校生活も終わりとなり、彼女は進路を学問と決めたので、地元を離れて上京するのでした。
彼との毎日の挨拶も自然と終わりとなったのです。
どこの 誰さん かもしらない2人の関係は終わりとなるのでした。
淡い恋の様な関係だったのです。身を結ばない恋でした。
彼女は都会で学び、仕事も始めます。そして、恋をして、結婚します。
子供も授かりました。幸せそうな彼女でしたが、離婚となり、まだ小学生の子供を育てて行くしかない。彼女は地元に帰る事にしたのです。
この間、傘の彼に会えなくなって、約13年が過ぎていたのです。
実家に帰った彼女は、車に乗ります。雨が降っても傘は不要なのです。
雨が降ると思いだす傘の彼。
でも、13年も過ぎているし、彼に会う事はないと決めていたのでした。
仕事も用事も出かける時は全て車の生活となったのです。
子供とも一緒の時が多い。お母さんと一緒の時も多い。
高校時代の彼女ではないのです。
ある雨の日の事、車で家を出ると、自転車で傘をさしている男性がいました。傘で顔はみれない、服装は作業着、えっっ まさか と思いつつもユックリと自転車を見て通り過ぎると彼、彼の面影があるのでした。
でも、彼女はそのまんま走り去ったのです。
それからも雨が降ると自転車に乗った彼が傘をさしている。会ってしまうのでした。
しかし、車を止めて話はしなかったのです。
そして、彼は我慢が出来なくなっていた。初めて彼女に会ってから、約15年位、その間、彼は彼女に会いたくて、雨の日に現れていたのです。
そして、本当は、会ってはいなかったけれど、隠れて彼女を毎日みていたのでした。
家を出かけたら見ていたのでした。完全なストーカーだったのです。
そんなに会いたいのなら、なぜ、もつと話をして仲良くならなかったのか。
続く。