11月27日
梅雨、いやな梅雨時期となりました。
彼女は傘を確りと持ち歩くようになりました。
彼とは合わない。彼は何所の人なのか。
梅雨が終わり、夏。そして、秋が来ました。肌寒い日。彼女は傘を持っていません。
授業が終わり、雨が降りそうなので、急いで帰宅する彼女。
雨は待つ手はくれませんでした。
雨は強く振り出します。彼女は傘を持ってはいません。びしょ濡れとなる彼女。
すると、彼女の後ろから誰かが傘をさしてくれた。
そして、『はい、これどうぞ使って』と、あの彼の声が。
驚いて振り向くと彼が笑顔で立っていました。
驚く彼女。だって、3回目なのです。彼女は傘を返したいから連絡先を教えて下さいとお願いするが、彼は傘はさし上げます。と立ち去ったのでした。
冬が訪れました。
朝、前から自転車に乗った男の方が来ます。
すれ違い際に気が付いた。傘の彼です。彼は、おはよう。と声をかけて行ってしまった。
初めての事。彼が自転車に乗ってすれ違った。やっぱり近くの方だったと彼女は勝手に思うのでした。
そして、次の日も、次の日も、学校へ行く時の朝、同じ時間に彼とすれ違うう様になつたのです。
すれ違うけど、かわす言葉はお互い一緒。(おはよう)(おはようございます)だけなのでした。
それでも、彼女は彼に自然と心を奪われていく。彼の事を考えてしまう。
雨の日もすれ違うのです。雨の日も彼は自転車に乗って傘をさしながら。
天気は関係なくすれ違う。毎日すれ違う。かわす言葉はおはよう。
彼はいつも作業着姿。仕事に行っている通勤。
年が新年となる。そして、バレンタイン。彼女は考えていた。バレンタインに傘のお礼をしようと決めていたのです。
バレンタイン当日の朝。彼はいつものようにおはよう。と声をかけてくれた。
その時に彼女は、『これ、良かったら、傘のお礼もこめてバレンタイン』と渡したのでした。
嬉しくて喜んだ彼は、お礼を何回も行って行ってしまった。
会話もそれだけ。2人の会話とは進まない。
続く。